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    八戸母子殺人事件 相反する精神鑑定の間での判決 2009/04/15

    • 2012.02.11 Saturday
    • 22:05
     母親と弟妹の3人を殺害した当時 18歳の長男について検察側、弁護側、双方が精神鑑定を行った。しかし、結果はまったく相反するものとなった。弁護側は、長男の精神には障害があり、刑事 責任能力はないとし、検察側は責任能力ありと主張。判決は検察の求刑どおり無期懲役となった。
    日本 事件 NA_テーマ2

    八戸母子殺人事件 相反する精神鑑定の間での判決 | ワイドショーリポーター高村智庸さん
    ワイドショーリポーター高村智庸さん
     通常の裁判は記者や傍聴人が着席してから、裁判官が入廷し、許可された場合は2分間、廷内撮影が行われる。その後、被告が入廷して、裁判が始まる。被告は証言席に立ち、裁判長から氏名、生年月日、住所、職業などを聞かれて、検察官の起訴状朗読から審理が始まる。

     しかし、その裁判は裁判官と被告が席に着いてから、記者や傍聴人を入れた。被告の顔を傍聴人に見せないためだ。人定質問も紙を見せて「これで、間違いな いですね」と氏名や住所などを被告に確認するだけで、傍聴人には分からないようにしていた。被告は黒地に白と茶色の格子柄のシャツに薄茶色のズボン。伸び た髪を後ろで束ねていた。傍聴席からは後ろ姿しか見えなかった。

    事件
     2008年1月9日夜、青森県八戸市のアパートが燃えているという119番通報があった。風呂場が中心に燃え、消火後の部屋から3人の遺体が発見された。その部屋に住む親子3人、母親(当時43)二男(当時15)長女(当時13)だった。

     3人は明らかに殺害された痕跡があり、同居していた長男(当時18)の姿が見えなかった。出火から7時間半後の10日午前6時ころ、長男はアパートから 2.5キロ程離れた八戸駅前でうろついているところを警察官に見つかり、サバイバルナイフを振り回して抵抗したものの取り押さえられた。サバイバルナイフ など8本を持っていて、銃刀法違反の現行犯逮捕だった。
     
     この長男が3人を殺害して、放火したことを認めたという。司法解剖の結果、3人とも首に刺し傷や切り傷があり、頸動脈を切られたことによる失血死だった。

     供述によると、長男は母親が飲むビールに睡眠薬を入れておいた。睡眠薬は長男が通院していた病院から処方されたものだった。ビールを飲んだ母親が居間で 寝てしまうと、長男は隣の子供部屋でテレビを見ていた長女の傍に行き、刃渡り25センチのサバイバルナイフで一気に長女の首を横に切った。長女は悲鳴をあ げる間もなく絶命したと思われる。次に長男は居間に行き、寝ていた母親の首を切った。その瞬間、母親は目を覚まし、ナイフから身を守ろうとしたのだろう、 両腕には深い防御創が残っていたという。それから1時間後、二男が帰宅して、玄関に入ったところを切りつけた。二男も抵抗したとみられ、傍にあった冷蔵庫 には血が飛び、左腕には防御創が残されていたという。

     長男は殺害した3人を居間の布団の上に「川の字」に並べた。その後、母親の腹部を十文字に切り裂いた。それは母親のお腹の中に「心」を探したのだとい う。しかし、そんなものはある筈もなく、その跡にオルゴール付きの人形を詰めた。長男はその後、風呂場の浴槽に小説や雑誌や自らノートに書いていたという 小説などを入れ、灯油をかけて火をつけた。犯行動機が小説を真似たものだと思われるのがいやだったから燃やしたと話している。炎が30センチ程になるのを 確認してから零下の深夜、鍵をかけて部屋を出た。八戸駅に向かったのは、電車に乗ってどこかに行きたかったということらしい。

     長男は、銃刀法違反の容疑で逮捕され、殺人、死体損壊、現住建造物放火容疑で再逮捕、送検された。青森地検は長男が肉親3人を殺害し、母親の腹部を切り裂いて人形を詰め込んでいたことなどから、刑事責任能力が問えるかを判断するため、精神鑑定を請求した。

     青森市内の医療施設で2ヶ月半の鑑定の結果は性格に極端な偏りがある「人格障害」ではあるが、刑事責任能力に問題はないというものだった。検察側は刑事 処分相当という意見書を付けて家庭裁判所に送致した。この鑑定結果を不服として、弁護側は青森家庭裁判所に再度の精神鑑定の申請をした。

     5月から7月にかけて行われた鑑定では、長男には精神疾患があり、犯行時は心神喪失状態で刑事責任能力はなかった、という逆の鑑定結果が出された。両鑑 定とも時間がかかるが、治療が必要という点では一致しているものの、長男の処遇を決める上で、この相反する鑑定結果を家庭裁判所はどのように判断するのか 注目された。

     青森家庭裁判所は事件の背景には「何らかの契機で飛躍的に高まった殺人衝動が家族に向けられ、空想上で描いていた殺人や死体損壊の行為を実現させるに 至った」と、指摘して「資質上の問題を抱えていたが、完全責任能力があった」という理由で検察官送致(逆送)を決定した。これによって長男は成人と同じ刑 事裁判で裁かれることになった。

    父親の話
     事件から1ヶ月程した2月初旬、青森県八戸市に、一人残された父親を訪ねた。父親は肝臓と糖尿を患っていた。「小さい時からの積み重ね。突発的に起きた 事件ではない。重なって、我慢して、狂ってああなったのか。狂わなくちゃできないと思う」父親は静かな口調で事件の背景を話し始めた。

     父親が37才の時に長男が生まれた。「欲しくて出来た子だから、可愛がった。でも極端に甘やかしてはいない」という。幼いころは友達も多く、よく自宅に 遊びに来ていたという。父親は民族派の政治団体に所属し、八戸支部長を務めていた。これまでに3回逮捕され、服役しているという。

     最初は長男が小学校2年生のころ、恐喝未遂事件で逮捕された。そのことで、長男の周囲から友達が遠ざかり、いじめられ、孤立してゆくことになったとい う。母親は生活を支えるために、スナックでアルバイトするようになった。売り上げを上げるためなのか、元々酒が好きだったのか。翌日には何も覚えていない ほど深酒をして、朝食の用意もしなくなってしまったという。そして、子供たちを育てられないと言い出し、3人の子供を児童養護施設に預けることにしたとい う。

     拘置所の中でそのことを聞いた父親は「夜働きながら子供を育てている人は沢山いるのに、なんで施設なんかに入れるんだ」と言ったものの、もう、決めたこ とだからと言われ、聞き入れてもらえなかったという。「どうする事も出来ず、一晩中泣きましたよ」元はと言えば両親に責任がある訳だが、小学2年の子と5 才の弟と3才の妹の幼い3人にとって、親に捨てられるようにして、施設に入らなければならない境遇は耐え難いものがあったと思う。

     長男はこの施設にいる間にいじめにあったという。友達も寄り付かなくなり、疎外され、孤立し、不登校にもなった長男。この頃から長男の中で何かが狂い始 めてしまったのだろうか。父親は離婚を決意した。生活保護を受けることで、酒浸りのスナック勤めを辞めて、母親として子供3人を守ってほしいという苦肉の 策だった。

     しかし状況はまったく変わらず、別の男性と交際するようにもなってしまったという。3人の子供たちは長男が小学校5年時まで施設に入っていた。その後、 父親の実家で両親と一緒に生活するようになるのだが、わずか3カ月で、また父親が事件を起こして逮捕され、母親は実家を出て、アパートに転居した。しかし 相変わらず母親は酒浸りで、交際していた男性をアパートの部屋に招き入れるような生活になってしまったという。

     3回目の逮捕は長男が15才の時だった。中学を卒業し、引きこもりのような状態だった長男とアパートで一緒に暮らし始め、父親は露天商の仕事を手伝わせることにした。夏祭りなどを回りながらお好み焼きを販売していたという。

     始めのうちは無愛想で、客に「いらっしゃませ」「ありがとうございます」も言えなかった長男。それまでは髪は長くして、爪は伸び放題、父親から客商売な んだから短くしろと言われれば素直に従ったという。仕事を教えられ、少しずつ接客に慣れてくると、明るさを取り戻し、生き生きしているように感じられ、 「これでもう、大丈夫だ」と思ったという。

     ところが、ある朝。アパートに警察官が突然やって来て、家宅捜索され、そのまま恐喝未遂容疑で逮捕されたという。茫然と立ちつくす長男の目の前での逮捕 だった。「こんなことになったのも、9割は自分のせいです。自分が普通の生活をしていれば、こんなことはなかった。自分のせいなんです」涙を浮かべながら 語った。

    初公判
     3月9日の初公判で長男は起訴事実について「記憶はないが、結果的に肯定します」と答えた。検察側は「家族がおかしくなったのは、父親が事件を繰り返し て家庭を守らなかったこと。そんなことがなければ、施設に入れられることもなかった。そして、母親が昼間から酒を飲んで醜態を晒し、他の男が自宅に出入り することもなかった。そんな男に弟や妹が懐くこともなかった」と、家族への憎悪が犯行の背景にあったと述べた。

     そして、人格障害ではあるが、犯行直前まで、一定の範囲内では通常の社会生活を送っていて、幻覚や妄想に支配されず、意識障害もなかったことから責任能力がある、というものだった。

     弁護側は、長男は現在も特定不能の精神障害にあって、犯行時の記憶は断片的で、幻覚や妄想に支配されていたこと。だから、動機が不明で、善悪の判断能力 や行動をコントロールできずに、無意識に実行してしまった。死体損壊については猟奇的で通常の精神状態では実行できず、責任能力はない。まず精神疾患の治 療が必要であり、そのためには、家庭裁判所に移送して少年審判をやり直し、医療少年院送致とすべきだというものだった。

     長男は取り調べの段階では検察側の冒頭陳述にあるような供述をしていた。しかし、被告人質問では殺害状況について聞かれると「覚えていない」「分からな い」を繰り返し、3人の殺害について「気づいた時には血を流して倒れていた」と断片的にしか記憶がないという答えだった。動機についても「分からない。父 親や母親に憎悪は持っていない」と述べて、調書を作成した段階の供述を否定した。

     調書には詳しく供述しているのになぜなのかと聞かれると「検察官に遠まわしに誘導されたり、作られたものだ」署名して判を押したのはその通りだったから ではないのかという点についても「違うと思ったけれど、面倒だから署名しました」と述べて、取り調べから早く解放されたかったからというような証言だっ た。

     長男によると、小学6年生の頃から、通りすがりの人を殺すような衝動、妄想のようなものがあったという。長男には月の存在が影響していて、新月の頃にな ると気持ちを抑えきれないようになってしまうという。それを「普通の時期」「激情の時期」「冷酷の時期」という言葉で表現した。犯行時は一番ひどい「冷 酷」を飛び越える状況だったという。そしてまた、犯行の理由については、「処理能力の限界を超えた。自分は道徳的ストッパーが壊れている。壊れたままでは 何をやらかすか分からなくなる」この長男独自の精神世界については、恐らく、誰も理解できないのではないかと思う。

     公判では犯行現場の部屋は大きなボードに見取り図が描かれ、細かく説明された。大型のモニター画面には犯行直後の部屋の様子が映し出された。しかし、3人の遺体写真は大型モニターが消されて、裁判官、検察官、弁護人にしか見えないように配慮されていた。

     3月9日の初公判から18日の結審まで6回の集中審理で、被告人質問、2人の精神鑑定医と父親が証言した。父親は当初、「死刑にしてほしい。骨は俺が拾 う」と話していたが、裁判では、事件の原因について「自分の服役と、母親の酒癖、男関係。とにかく追い込んだのは私たち。悪かったと謝りたい」そして、今 後については「私は更生できると信じている。そのためには自分の人生をすべて捧げる」健康状態が良くない身体でも、長男を見守ってゆく決意を語った。

    相反する精神鑑定結果のあいだで
     長男は最後の被告人質問で、被害者3人への気持ちを聞かれると「うわべだけの謝罪はしたくない、今は無理だが、病気を治して心の底から謝りたい」と答え た。弁護人によれば、長男は自分がどのような精神状態なのか分からないまま、不安だったという。それが裁判の中で精神疾患だと診断した精神科医の証言に よって、理解してもらえたという安心感ができたという。

     長男は検察側の言うように人格異常で、あれ程の残酷な事件を引き起こしてしまったのか。あるいは弁護側の、特定不能の精神障害によって引き起こされた動機不明の事件だったのか。今でも、私には分からない。

     検察側と弁護側の2つ精神鑑定の結果は相反する内容になっているが、どちらも、長男には「治療が必要」という点では一致している。しかし、27日の判決は検察側の求刑通り無期懲役だった。長男に刑罰を科することによって「解決」してしまって良かったのだろうか・・・。http://janjan.voicejapan.org/column/0904/0904140565/1.php

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